実直な仕事で、顔の見えない相手とも心でつながる

「高校時代、外部コーチで指導してくれたのが皆呂社長でした。その頃からのつきあいなんですよ」(下道)。大学卒業後は、銀行マンとしての道を歩き始めていた。しかし、その道はなんだか自分の道ではないような気もしていた。思いきって仕事を辞め、バイトをしながら模索をしていた頃に皆呂社長から声がかかり、naroのバイトとなり、その後社員へ。

現在、通販のとりまとめを任されている。「電話やファックスでのやりとりになりますが、お客さんに名前を覚えていただいたり、知っている土地からの注文だったりすると『あの辺りはお店がないから、naroに頼ってくれているんだなぁ』と。そう思うと、とてもうれしいんですよね」と下道。実直な人柄が電話の先の相手にも確実に伝わり、信頼へとつながっている。

「naro」は、社長のキャラクターが前面に出た店だとも語る。その強みで得た仕事を、「私たちスタッフが確実にやることが大事なんです」と下道。自分の役割を的確に理解し、「naro」の土台をしっかりと支える。

【文:スポーツライター 八木陽子(早稲田大学軟式庭球部出身) 写真:井出秀人】